不安をかき消すように
春、出会いの季節でもあれば別れの季節。
桜並木をニエルと歩く。
「綺麗だね、ヌナ」
『うん、』
満開の桜を見上げるニエル。
その姿に見とれてふと立ち止まる。
枝に手をかざして、優しい笑みを浮かべて、髪が風に揺れている。
そんな美しい光景を忘れたくなくて、携帯のカメラをニエルに向けた。
その時、
一瞬強い風がふいて、
勢いで散ってしまった花びらがニエルを隠すように包み込んだ。
いや、そんな気がした。
怖くなってニエルのもとに駆け寄り、
手をきゅ、と掴むと
ん?って言ってニエルが優しい顔を向けるから、
自分から握ったくせに照れてしまう。
ニエルと私にも別れが訪れるのではないか、、
ふと心にそんなことが浮かんでしまって。
でも、
「ずっとそばにいるよ」
何も言ってないのにニエルがそんなことを言い出すから
『わかってるよ』
と咄嗟に強がって返事をしてしまったけど、
ニエルは全部お見通しみたいで、
「どこにも行かないから」
ぎゅっと強く手を握り返してくれた。
私の不安をかき消すように
- - - - -
短くてごめんなさい、、
あと何がかきたかったかというと、
桜が綺麗ですね、と。←