ちゃんななにえる

きゃしーです。TEENTOPの天使ニエルの妄想炸裂溺愛中の変態です。@TT_cathy

フレンチトースト

今日はいつもよりも早く目が覚めた。

隣に寝ているヌナは頭まで毛布をかぶり、まだ起きそうな気配がない。



こんな機会だから今日は僕がヌナのために朝ごはんを用意しよう。

そう思って、枕元の目覚まし時計のスイッチをオフにして静かに寝室を出た。




キッチンで腕をまくる。

んーと、何を作ろう…




とりあえず冷蔵庫を開けてみると、ヌナがいつも作ってくれるフレンチトーストがふと頭に浮かんだ。



甘過ぎないふわふわのそれは、僕が来た時は定番の朝食で。


いつもあまり食べない朝食も、フレンチトーストは食べられた。










いつものヌナの見よう見まねでなんとか焼けたフレンチトーストを皿に取り分けていると、



『ニエル…?』


寝室のドアがゆっくり開いて、ヌナが顔を出した。




「おはようヌナ、よく眠れた?」


『目覚まし時計止まってたみたい……』


少しだけ焦った様子で寝間着のまま僕の方まで歩いてきて。





「朝ごはん作ったんだ。ヌナみたいにおいしくできたかわからないけど……っと!」



ほら、と皿をヌナの前に持ってきて見せようとすると突然腰を両腕に回してきた。




「ヌ、ヌナ?どした?」


『朝起きたら隣にいなかったから……』


「こわい夢でも見た?」


子供みたいに僕の胸よりちょっと下あたりに顔をうずめて首を横に振った。






『いなくなったかと思って……』


寝起きのせいなのか少し掠れかかったか細い声を聞きとって、





「どうして?」



そっと頭を撫でた。





『わかんないけど、最近思うの。ニエルがいつか私から突然いなくなるんじゃないかって』


「そんなことあるわけないじゃん」


『わかってるよ。わかってるし、信じてる。私って
たぶん重い女なの』




全身をヌナの方に向けてそっと抱き締めた。






「愛してるよ、ヌナ」


『ニエル…』








「僕たち、一緒に住もっか」


『えっ!?』



僕を見上げた目には少し涙が溜まってて、その目に親指を触れ、唇にキスをした。






「朝ごはんなら僕も作れるし、朝起きて一番にヌナのこと見たい」




どう?と顔が近いまま尋ねると、大きく頷いてくれた。









「ほら、朝ごはん食べよ?冷めちゃう」




手を繋いでリビングまで向かう。


テーブルにはコーヒーとサラダと、フレンチトースト。








いただきます、手を合わせて一口。

『ニエル、これって……』

「なんか変だった!?」


慌てて僕も食べると…


「まずっ……」


塩と砂糖を間違えた。


「ごめんヌナ、」

『初めて作ったんだし、しょうがないよ。今度は一緒に作ろう?』