いっそのこと

『オッパー、またフラレたー!!』

隣の家に住むこの子は、家同士の仲がよかったこともあり、生まれた時からずっと一緒にいたようなもので。

大きくなったら結婚しようね！なんて、子どもの頃はよく言っていた。

そんな約束(?)も気付いたらいつからか言わなくなって、

僕が大学に入学するとあっちは高校に入学して、

僕の部屋に勝手に入るのは変わらなかったけれど、

思春期真っ只中なのか、たくさん恋愛相談をされるようになった。

「今回はどのくらい続いたの？」

『…1ヶ月弱？』

はぁ……

それで付き合ったって言えるの？

この子に寄ってくる男は、どうもろくでもない奴が多いらしい。

こんなに、

可愛くて、女らしくなったのに。

『あぁあー、何がいけなかったんだろうなー…』

ごろんと、ベッドに仰向けになって天井を見つめながら吐き捨てた。

背中で聞いたその声は、

フラレたのは初めてではないにしろ、そこはやっぱり落ち込んでいるようで。

ちらっと視線を向けると目にはうっすら涙が滲んでいた。

「ねえ、」

『なに？』

いっそのこと………

「……なんでもない」

『何よ、』

「…次はいい人と付き合えるといいね、」

『…うん』

「じゃ、なんか甘いものでも食べにいこうか！」

『ほんと!?』

ばっと勢いよく起き上がる君は、明るい笑顔をしていて安心した。

「なんでも奢るから！」

『わーい！オッパ大好き！』

「調子いいなほんと」

いっそのこと……僕にしたらいいのに。

僕の片想いはまだ続きそうです。

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作者です！
ご無沙汰してしまいました！

今回初めて歳下の妄想をしました。
あんまりニエルちゃんぽくないオッパかもしれませんね…
名前を入れなかったのでお好きな方との妄想にするのもありかと(^^)