デート
「ヌナー、まだー?」
『もうちょっとー!』
女の子は出かける準備に時間がかかる。
好きな人とのデートならなおさら。
ポニーテールに黄色いワンピース。
マスカラもチークも気合いを入れる。
最後に、
新しく買ったグロス。
ちょっと、盛りすぎ…?
いやいや、そんなことないはず。
ニエル、なんて言うかな…
『ごめんっ、おまたせ…』
「もー、待ちくたびれ──……」
言葉が途切れ、ニエルがじろじろ見る。
なんか変だった……?
口に手を当てて、言葉を失っているような…
『あの…ニエル?』
「……ヌナってば、」
ちょっと怒ってる…?
両肩に手を置いて、まっすぐ見つめられる。
「スカートが短い、胸元開きすぎ。そんなの誰にも見せられないよ。あと…」
顎を持ち上げられ、唇を舐めるようなキス。
「こんないやらしい唇をして、僕を誘ってるの?」
結局服を着替えさせられてデートに出かけた。
何を着ていても、私はニエルだけのものなのにな…
なんて呟いたら、何も言わずに繋いでいた手に力が込められた。
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