ちゃんななにえる

きゃしーです。TEENTOPの天使ニエルの妄想炸裂溺愛中の変態です。@TT_cathy

溶ける、蕩ける


何もしていなくとも全身から汗が滲み出る。


今夜はまさしく熱帯夜で。


ベッドに横になった時にかけたタオルケットは、すでに足元でしわくちゃになっていた。



『んんーあついー』


どうあがいても暑さで眠りにつけず、寝返りをうって隣のニエルの上半身に片腕をだらんと乗せる。



「ぅ、暑いよヌナー」




その腕は虚しくも私の方へ戻されてしまった。


抱きついたつもりだったのに………




確かに暑い。

けど今のにはほんのちょっとだけ拗ねるよ。





そんな触れ合いでさえさせてくれない暑さを軽く憎んだ。









そうだ。




いいコト思いついた。









「ヌナ、どうかした?」



『ちょっとトイレ〜』




私はベッドを抜け出してトイレ、ではなく台所へ向かった。




目当てのものを手にし、寝室へ戻った。




『ニエル、キスしよう?』


「えー、暑い」



な…!また私を拒んだ…!

ニエルのぱぼ!




『ニエル、さすがの私も傷つく…』


「あ、ごめん」





『なんてね』



薄暗い部屋の中ニエルの顔に手を触れ、その唇にキスをした。



「ん…つめたっ…氷?」





『”暑い”はもう通用しないからね』



私は得意げに、氷が入ったグラスををカランと揺らした。



『ちょっとは涼しくなるでしょ?』



「うん、そうだね。でもまだ……足りない」




ニエルは氷を一つ口に含むと、再度私に口付けた。


『んっ』



お互いの舌で転がされた氷は、水になってぴちゃぴちゃと音を立てて、なんかやらしい………


唇が冷たくていつもと違うせいか、新鮮な気持ちよさにくらくらする。

でもあっという間になくなって、すぐに唇が熱くなった。






「甘え上手なのか下手なのかわかんないよヌナ」


くすくす笑うニエル。


『…うるさい』



もう一つ氷を口にして、ニエルの口を塞いだ。



ニエルの手が後頭部に回ってきて、汗で湿った髪をくしゃくしゃにする。






氷がなくなってもまだキスは続いて。




離れた頃にはグラスには水しか残っていなかった。




このキス、ハマっちゃったかも…


暑いのも案外悪くない。

君の専属

”今日のお客様はオーナーのお得意様の息子だから、失礼のないようにね"

『はい』



色とりどりのネオンが輝く街、

お店の奥のVIPルームで一人待つ。


背中がざっくり開いたタイトなロングドレス。


こんなの着たの初めて…



窓ガラスに映る自分を見る。



『意外と似合ってるじゃん、』




ガチャ、


背後のドアが開く音がして背筋が伸びる。




「こんばんは」


ゆっくり声がする方へ振り返ると、

黒いスーツを着た、背の高い細身の男の子。




『よろしくお願いします』


名乗って軽く会釈をすると、


「はは、カタいなぁ」



ネクタイを緩めながら近付いてきた。


反射的に後退るけど、すぐに窓際に到達して距離が縮められてしまった。




「僕はダニエル。よろしくね」



『んっ』



挨拶代わり、にしては深くて熱い口付け。




巧みな舌に応えるのがやっとで、頭がぼんやりしてくる。


深く舌を絡め、歯列をなぞり口内を舐め回すようなキス。




唇が離れ、私は一つ息をつく。



『キス、上手ですね』


濡れた唇をわざとらしく舐めて、余裕な”フリ”をして言う。



彼は私の腰やお尻をいやらしく撫でて、少しずつ胸まで上り詰めてきた。



「そりゃあ、常連だしね」

にやりと笑うと、ドレスの上から胸の膨らみを大きな手で包む。




『あっ、』




思わずぴくりと肩が震えた。



その瞬間を見逃さなかった彼が手をとめた。






「君って、ここ何日目?」




『んっ、今日から、です…』




真っ直ぐ見つめるその視線を、思わず反らしたくなった。




「へえ、こういう仕事初めてなの?」


『ま、ぁ』



全部、見透かされているような瞳。









「H、したことある?」



な、なに……


『ある、よ』


「ふぅん、ま、いいけどさ」





嘘を、つくしかなかった。



本当は、私に男性経験なんてない。




「今日はもう帰ることにするよ」


『…どうして』



「気分が乗らないんだ、これだけ置いていくよ」



側にあったサイドテーブルに置かれたお金。


どう考えてもコース料金より上額だし、彼からお金を貰うなんて聞いてない。



『いただけません』


テーブルの上のそれを掴んで彼に向ける。


彼は、緩んだネクタイを締め直しながら耳元に顔を寄せてきた。


「オーナーには黙ってるから、それは貰ってよ。困ってるからって、自分の身体を売ったりしたらだめだよ」



『なにそれ、ここの”常連”のくせに。私はこういうことしちゃいけないの?』


自分に魅力がない、そう言われてる気がしてむきになって言い返した。






「なんでかな、君には自分の身体を大事にして欲しいと思ったんだ。ちゃんと好きな人と触れ合う幸せを感じて欲しい」



どこか切なそうな笑顔を私に向けた。


『あなたは、感じたことあるの?』


「…あるよ」



あれ、今一瞬表情が曇ったような……





なんだか、調子が狂う…






「そうだ、」



少しだけ目を見開いて、何かひらめいたような顔を浮かべた。



「君、僕の専属になってよ」


『は?』



「明日からは私服でここにおいで。もちろんお金も払うから。オーナーには僕から言っておくから」





ぽんぽん、と頭を撫でると、私に背を向けて部屋を出て行った。


『拒否権なし、って訳』




ふとさっきのキスを思い出して顔が熱くなった。




あの人は優しい人なんだ、と根拠もなく感じた。



私は明日からもこの店にいる。


あの人の、ダニエルの専属として。

無言の返答

「これってさ、俺らも大人になったってことだよね、」


『大人っていうか、さ…』








数時間前。



数年ぶりにニエルに再開した。


友人と夜ご飯の約束をして、待ち合わせ場所に行くと何故かニエルも一緒にいた。


「久しぶり、」

ニエルは照れたような、気まずそうな笑みを浮かべた。


『なん、で』


友人の顔を見ると少しにやにやしていて、

友人「さ、はやく行こー」


何だか訳がわからないまま予約していたレストランに3人で向かった。





ニエルは私の元彼だった。


別れた理由というのは、いわゆる自然消滅で。


お互い嫌いになった訳でも、他に好きな人が出来た訳でもなかった、と思う。



だからこそ気まずいというか。



食事中は友人が学生時代の話に華を咲かせ、なんとか沈黙は避けられた。



友人「あっ電話、ごめん、ちょっと席外すね」

『えっちょ、』


友人は席を立ち、入り口付近まで離れてしまった。




少しの沈黙。


「あのさ、」


それを破ったのはニエルだった。




「この後なんか予定ある?」



『え、このあとは…』

友人「ごめーん2人とも!急用出来ちゃったから先帰るね!食事代立て替えといて!」



『ちょっと!』


返答する前にあっという間に店を出てしまった。


『もう、勝手なんだから…』


今日のこの状況、たっぷり説明してもらおうと思ったのに!



あ…


ニエルとの話途中だった。



「なんか用事とかある?」


『ない、けど…』



「よかった、じゃあもう一件付き合ってよ」



にこ、と軽く笑ったニエルは別れる前と全然変わってなくて、戸惑いながらも首を縦に振った。



間もなくレストランを出て、2人で飲み屋街を歩いた。



その間も会話は特になくて。






ふと、前を歩く2人の男女が目に入る。


男性は女性の肩を抱き、飲み屋と飲み屋の間に建つ薄いパステルカラーのビルの中に入っていった。

たぶん、ラブホテルってやつ。



会話もなかった私達は、その光景をなんとなく見ていて、




「………入る?」


『はっ!?』


なんの前触れもなくニエルがそういうから、思わず大声で答えてしまった。


幸いあちこちの飲み屋から雑音が聞こえていて、私達を見てる人なんて誰もいなかったけど。





「ルームサービスとかあるんじゃない?静かな所に行きたい」





この時の私は、何を考えてたかよく覚えてない。


こんな所に入って、何もない訳がないのはわかってたはずなのに。

でも嫌な気はしなかった。


たぶんどこかで期待してたのかもしれない。








ラブホテルという割には意外と普通のホテルっぽくて。


『初めて入った、』


思わず口にした。


とりあえずルームサービスで頼んだアルコールを口にする。





「これってさ、俺らも大人になったってことだよね」


『大人っていうか、さ…』



まあ、これから起こり得る展開なんて、予想出来ないほど子供じゃない。



『ニエルは、こういうこと平気でするようになったんだね…』


アルコールがまわってくると、言いたい事が少しずつ出てきた。


「どういうこと?」



『なんでもない女の子とホテル来たりとか』



俯きがちにグラスの泡を見つめながらわざとらしくそんな事を言う。


ニエルの手が頬に伸びてきて、顔にかかった髪をかきあげた。



振り向くと真剣な顔をしたニエルがこっちを見ていて。



「なんでもない女の子じゃないでしょ?」


『元カノなんて、なんでもないじゃない』


「俺は今日だけで終わらせる気はないけど」


『どういうこと…』


「こういうこと、」



カタン、と席から腰を上げたニエルの顔が近付いてきて口付けられた。


『んっ』


ニエルの肩を両手で押す。



『いみ、わかんない…』


「もう1回、俺の彼女になってよ」



は…………





ほんと、


今日の私は何を考えてたんだか………




私は返事をせず、かわりにニエルに口付けた。

不安をかき消すように

春、出会いの季節でもあれば別れの季節。




桜並木をニエルと歩く。


「綺麗だね、ヌナ」


『うん、』



満開の桜を見上げるニエル。


その姿に見とれてふと立ち止まる。



枝に手をかざして、優しい笑みを浮かべて、髪が風に揺れている。


そんな美しい光景を忘れたくなくて、携帯のカメラをニエルに向けた。



その時、

一瞬強い風がふいて、


勢いで散ってしまった花びらがニエルを隠すように包み込んだ。



いや、そんな気がした。



怖くなってニエルのもとに駆け寄り、
手をきゅ、と掴むと

ん?って言ってニエルが優しい顔を向けるから、


自分から握ったくせに照れてしまう。



ニエルと私にも別れが訪れるのではないか、、

ふと心にそんなことが浮かんでしまって。




でも、



「ずっとそばにいるよ」



何も言ってないのにニエルがそんなことを言い出すから


『わかってるよ』

と咄嗟に強がって返事をしてしまったけど、


ニエルは全部お見通しみたいで、


「どこにも行かないから」





ぎゅっと強く手を握り返してくれた。


私の不安をかき消すように




  • - - - -


短くてごめんなさい、、


あと何がかきたかったかというと、

桜が綺麗ですね、と。←

I want you


今日は久しぶりにニエルに会える。


カムバの準備が忙しかったのが少し落ち着いて、今日家に泊まりに来ることになった。



最後に会ったのは1ヶ月と少し前。



忙しいだろうと思って私から電話とかは極力控えていたから、


ニエルが髪色を変えたとか、そういうことはファン達がブログやツイッターで教えてくれた。

それもなんだか変な感じだ。






「ただいま〜」



ニエルは私の家に来ると、"おじゃまします"ではなくいつも"ただいま"。





『おかえりニエルー!』



私も何のためらいもなくこう返して、まだ靴を履いたままのニエルに抱き着く。




「わっ、久しぶりだね。元気だった、よね(笑)」



『うん、ニエルも毎日大変だね。疲れてない?』


「ヌナに会ったら元気出た」


長い腕で優しく抱き返してくれる。




『ふふ、ご飯食べる?』


「食べる!ヌナのご飯久しぶりだなー」



にこにこするニエルを見ると、すごく癒される。


『待ってて、すぐ温めるから』



玄関にニエルをおいてキッチンへぱたぱた向かう。


あり合わせで作ったカレーを火にかけて、ご飯を皿に盛る。



ニエルはソファにコートと荷物を置いて私のもとまでやって来た。



「カレーだ!いい匂い」


『あるもので作ったから味は保証できないけどね』


「ヌナのカレーはおいしいよ、僕が保証する」


『ふふ、なにそれ』



「それよりさ、ヌナ」


さっきより声のトーンが少し下がったのがわかって。





気がついたらニエルの腕が後ろから回ってきて肩を抱かれていた。








『どしたの急に』


「どうしたのはヌナだよ。何か元気ない」


『え』










どうしてニエルは、毎日会ってないのにそんなところに気がつくんだ。






仕事で少しストレスが溜まっていて、そんな時に限って仕事で失敗をした。

いらいらがピークに達して何もかも投げ出したくなった今日。



ニエルに久しぶりに会える。そんな貴重な時間をこんな気持ちで過ごしたくないから、仕事のこと忘れてたのに。




『ふっ………』



気付いたら涙が出ていた。






「…おいで」


ニエルはカレーを温めていた火を止め、リビングまで私を連れていった。




ソファに腰を下ろしたニエルの腿に跨り、子どもみたいに抱き着いた。




具体的な話はしてないけれど、ニエルは優しく背中をさすって うん、うんってただ私の話を聞いてくれた。






泣きながら話し終えてしばらくニエルの肩と首の間あたりに顔を埋めて、

ふう、とやっと一息ついた。



「落ち着いた?」


ぽんぽんと軽く背中を叩かれて、顔を上げてニエルを見た。





「ヌナ顔ぐしゃぐしゃ(笑)」



『言わないでよばかあぁ』



「わあごめんごめん!泣かないで!」



慌てて頭を撫でるニエル。






『……ふふっ、泣いてないよ、もう涙枯れたもん』



「よかった、やっとちゃんと笑った」



頭にあった手が降りてきて頬に触れる。



もう。歳下なのにこの抱擁力はなんなんだろう。




『ニエル、大好き』



「僕も。愛してるから。これからはいつでも連絡して。ヌナからの連絡が迷惑だなんて思うはずないから」


『うん、ありがとう』



ニエルのほうがずっと大人だよ。






ぐうぅ…………


『あ』

「ヌナ?」

『ぷっ、泣いたらお腹すいちゃった』

「ははっ、僕もお腹すいた!早く食べよ!」

フレンチトースト

今日はいつもよりも早く目が覚めた。

隣に寝ているヌナは頭まで毛布をかぶり、まだ起きそうな気配がない。



こんな機会だから今日は僕がヌナのために朝ごはんを用意しよう。

そう思って、枕元の目覚まし時計のスイッチをオフにして静かに寝室を出た。




キッチンで腕をまくる。

んーと、何を作ろう…




とりあえず冷蔵庫を開けてみると、ヌナがいつも作ってくれるフレンチトーストがふと頭に浮かんだ。



甘過ぎないふわふわのそれは、僕が来た時は定番の朝食で。


いつもあまり食べない朝食も、フレンチトーストは食べられた。










いつものヌナの見よう見まねでなんとか焼けたフレンチトーストを皿に取り分けていると、



『ニエル…?』


寝室のドアがゆっくり開いて、ヌナが顔を出した。




「おはようヌナ、よく眠れた?」


『目覚まし時計止まってたみたい……』


少しだけ焦った様子で寝間着のまま僕の方まで歩いてきて。





「朝ごはん作ったんだ。ヌナみたいにおいしくできたかわからないけど……っと!」



ほら、と皿をヌナの前に持ってきて見せようとすると突然腰を両腕に回してきた。




「ヌ、ヌナ?どした?」


『朝起きたら隣にいなかったから……』


「こわい夢でも見た?」


子供みたいに僕の胸よりちょっと下あたりに顔をうずめて首を横に振った。






『いなくなったかと思って……』


寝起きのせいなのか少し掠れかかったか細い声を聞きとって、





「どうして?」



そっと頭を撫でた。





『わかんないけど、最近思うの。ニエルがいつか私から突然いなくなるんじゃないかって』


「そんなことあるわけないじゃん」


『わかってるよ。わかってるし、信じてる。私って
たぶん重い女なの』




全身をヌナの方に向けてそっと抱き締めた。






「愛してるよ、ヌナ」


『ニエル…』








「僕たち、一緒に住もっか」


『えっ!?』



僕を見上げた目には少し涙が溜まってて、その目に親指を触れ、唇にキスをした。






「朝ごはんなら僕も作れるし、朝起きて一番にヌナのこと見たい」




どう?と顔が近いまま尋ねると、大きく頷いてくれた。









「ほら、朝ごはん食べよ?冷めちゃう」




手を繋いでリビングまで向かう。


テーブルにはコーヒーとサラダと、フレンチトースト。








いただきます、手を合わせて一口。

『ニエル、これって……』

「なんか変だった!?」


慌てて僕も食べると…


「まずっ……」


塩と砂糖を間違えた。


「ごめんヌナ、」

『初めて作ったんだし、しょうがないよ。今度は一緒に作ろう?』

meet & greet

…おもしろくない。



『信じらんない。ほんとに一緒に写真撮ったなんて……見てよニエル、すごくない?』


「あー、すごいすごい」


『やっぱりみんなかっこよかった〜』





流した返事をしてもヌナには気にならないらしい。


それくらい1枚の写真に夢中になっている。




彼女が好きなアイドルグループ。

先日ライブがあったらしく、さらにミート&グリートに当たったらしい。




『ほんとさ、みんな背が高くてイケメンで優しくて素敵だったの!』



ベタ褒めですよ……




「ヌナー、」

『んー?何ニエル』




「TEENTOPのニエルくんともミート&グリートしませんかー」


『えー?あっ』



写真を奪ってテーブルにひらりと投げ置いた。




内カメラに設定して彼女の肩を抱き寄せ、頬に口付けシャッターを押す。




『いきなり何!』


「ヌナが写真ばっか見てるから」


『アイドルに嫉妬しないでよ』



「するよ。それに僕だってアイドルだもーん」



『そうだけど。ニエルは彼氏じゃん』




彼氏………


「嬉しいね、それ」





写真はもうやめて、恋人しかできないミート&グリートする?