終電
終電を逃した二エルを家に泊めることにした。
『連絡した?』
「うん、ちょうど明日は仕事少なかったら許してもらえた(笑)」
二エルを家に上げたことはあったけど、泊めるのは初めてだった。
適当に座ってもらったニエルはなんだかそわそわしている。
『ニエル、もしかして緊張してる?』
「だって…っ、泊るとか初めてじゃん」
確かに、ニエルの前で私服以外になるのは初めてだし、この先のことを思うと少し緊張する。
とりあえずお風呂に入ってもらった。
着替えは、私の持ってる服で少し大きめのものを貸した。
細身のニエルには女性物でも大丈夫だった。
ニエルから自分と同じシャンプーの匂いがして
「ヌナと同じにおいだ〜」
同じ事を思っていた驚きと、そんなことを言ってふわっと笑ったニエルが愛おしくてたまらなくなって、ぎゅっと抱きついた。
「わ、ヌナ?」
『もう、ニエルだいすき』
「…この状況ってさ、いいってこと?」
『え?』
「僕だって男なんだからさ、わかるよね?」
この先のコト……
『わかってる。いいよ、ニエル』
「好きだよ、ヌナ」
言い終わるのと同時に唇が重なった。
仕事が長引いて待ち合わせに遅れちゃったけど、今日だけは仕事に感謝した。