メリークリスマス

「今日は楽しかったねー」
「料理もおいしかったしね」
「2人とも幹事お疲れさま〜」

『ありがと〜お疲れさま』

会社のクリスマスパーティーが無事に終わった。

幹事を任された私とニエル。

『みんな楽しんでくれてよかったね』

会場の後片付けをしながら話しかける。

「俺幹事とか初めてやったから、先輩のおかげだよ」

『ううん、いっぱいアイディア出してくれたし、すごく助かったよ』

ツリーの飾りをひとつひとつ外して箱に入れる。

『でもさ、せっかくのクリスマスだったのに仕事なんて寂しいね』

ニエルは一緒に過ごしたかった人とかいないのかな……

「そう？俺はけっこう楽しかったよ」

ツリーのてっぺんで輝く星に余裕で手をのばして取り上げた。

背が高くて、スタイルが良くて、かっこいい…

『好きな人と過ごしたかったんじゃないの〜？』

ちょっと冗談っぽく言ってみた。

ニエルは下ろした星を見つめたまま、

「過ごせたよ」

………

『え、』

私は動かしていた手を止めてしまった。

会社に好きな人いたの…？

『ニエル、恋人いたの…？』

「ううん、恋人じゃないよ、まだ」

まだ？

告白はしてないけど両想いってこと？

「先輩、」

『な、に…？』

動揺で不自然な返事になってしまった。

「俺、先輩のこと好きだよ」

『…え』

ええええ！？

『うそ……ほんとっ！？』

「ふふ、うん」

照れたように口元に手を宛てて、目を細めて微笑んだ。

「先輩は？返事聞かせて」

『私も、好き』

実は幹事にニエルを指名したのは私で…

今日が終わったら告白するつもりだったのに。

まさかこんな展開って…

「よかった、クリスマスに恋人と過ごせて」

『ふふ、そうだね』

「メリークリスマス」

最高のプレゼント。