内緒のキス
突然の停電…
メンバーも少し慌てた様子。
今まで明るかった部屋が急に暗くなると目の前が真っ暗になる。
『やだ、ケータイどこだっけ』
身の回りのものを手にとるのも一苦労。
目が慣れると物の輪郭が少しわかった。
目の前に人影。
それがどんどん近付いて来て、目の前がまた真っ暗になった、と同時に唇に感じる柔らかさ。
この感触は、唇…?
そして誰の唇?
数秒に感じたけれどそれはたぶん時間にして一瞬。
呆気に取られているうちに照明がついた。
メンバー一人一人の顔を確認する。
その中で一人、こちらに視線を向けているニエル。
何も言わずただ、唇に指を当てる彼。