ちゃんななにえる

きゃしーです。TEENTOPの天使ニエルの妄想炸裂溺愛中の変態です。@TT_cathy

鼓動が君を呼んでる

”『ごめん、ニエルのことそういうふうに見たことなくて…なんていうか━━━━』”






そう言ってヌナは僕の告白を断った。


でも僕の気持ちはそう簡単には変わらなくて。





”弟みたいに見てた”


確かにヌナはそう言った。








でもさ、





どうして僕を見て泣きそうな顔するの?










おまけに、ヌナはなんだか最近苛々しているみたいで。



共演した女性タレントと話してる時も、ヌナの視線を感じた。



『仲、良いんだね』

通りがかりにそんなことを言ってきて、


「そう?仕事の話しかしてないけど」


『ふーん』



そっけなく返事をして通り過ぎようとしたからその腕を掴んで引き止めた。



ばっ、と振り返った顔は赤くて、なんだか期待感ばかりが募る。



『な、に…』

「気になる?」


『べ、別に……』

「ねえ、今僕のことどう思ってる?」



『それは…』


「もう一度、考えてもらえない?」



掴んだままの腕を引っ張って、通路の陰までつれてくると連れてくると、その華奢な体を包み込んだ。


『ニエル何してっ…』


誰かに見られたら、と慌てるヌナ。


「死角になってるから大丈夫だよ」


と更に強く抱きしめるとしぶしぶ大人しくなった。




「どう?」


『…心臓バクバクしてる……』


「僕も。僕はヌナが好きだからドキドキしてるんだけど、ヌナは?」


『…好き、だから…?』


僕に見られないようにか、僕の胸に顔をくっつけて消えそうな声でそう言った。


耳まで真っ赤にしてるの、見えてるよヌナ。



遠慮しがちに僕の背中に腕を回してきて、もうその行動全てが僕をときめかせる。






『ごめんね、傷つけて…』



少し間が空いて、

ちょっと申し訳なさそうに言った。





ダメだ、僕ヌナのこと好きすぎる。


「あー、ほんとにもう………」



ため息混じりに呟いたら、怒ったと思ったのか不安げな顔で僕を見上げてきた。


その隙を狙って、ヌナの唇に自分のそれを重ねた。


初めて触れたヌナの唇は、とても柔らかい。





「ヌナのこと好きすぎて…もう離れたくない。片想いって切ないけど両想いでもちょっと大変だね」


笑って言うと、



『そんなにあたしのこと好きだったんだ、』


って悪戯に笑ったから、仕返しに腕の力を最大に込めてやった。





「そうだよ。これからは僕の愛を存分に味わってもらうからね」



『痛い痛い!わかったから!仕事戻らないとっ』




仕方なく離してあげたら、背伸びして頬に軽くキスされた。


『たぶんあたし、ニエルのこと弟って思ってなかったかも』




「じゃあ、なに?」



『そばにいて安心する存在、かな。だからニエルの告白断ってからずっともやもやしてた』



「だったらもう僕から離れられないようにしてあげる」






ヌナのほっぺにもお返しのキスをあげた。

if...


昨日雨が降ったせいか、今朝は少し冷えていた。



ベッドの隅に追いやられた薄いタオルケットに手を伸ばして肩までかけ、寝返りをうった時、





『ひゃっ!!!』




瞬時に目が覚めた。






目の前には、天使のような寝顔。




『……ニエル?』



「ん、ん……」





さっきの私の驚いた声で起きてしまったらしい。



うっすらと目を開け、目が会うとふふ、と笑って








「おはよ、ヌナ」




って。







わざとだ、絶対わざと。



確信犯以外の何でもない。









なんてきゅんとしてる場合じゃなくて、



『な、なんでここに?』



「んー?ヌナに会いにぃー」




長い腕を背中に回して引き寄せられる。


まだ完全に目覚めてないせいか、甘えモード全開のニエル。





なんでも、これから活動が忙しくなる前に隙を見つけて来てくれたんだそう。




何時に来たのかと聞くと、私が寝てからそんなに経っていない頃だった。



せっかく来てくれたのに、なんて勿体無いことをしているんだとかなり後悔……







『起こしてくれればよかったのに…』



「ヌナあまりにも気持ちよさそうに寝てたからなんか悪くて。それにね、寝顔いっぱい見れたから充電できたよ!」



『なにそれ、私全然足りてないんだけど!』




「だからぎゅってしてる」



『だめ、足りない』






ニエルの顔を両手で挟み口付けた。





『充電完了!活動がんばってね?』








if...






「ヌナ、そこまでしたならもう足りないよ」






* * *


ご無沙汰してしまいすみません〜〜〜
もしも目覚めたら隣にニエルがいたら…というのをよく考えます。w

守りたい

僕だけのかわいいヌナ。

華奢でふわふわしてるけど気は強くて。



だからこそ心配なんだ。






『今日の満員電車はひどかったよ。ぽっちゃりサラリーマンに埋もれちゃうし痴漢はいるし。あの時間は電車に乗るもんじゃないね』



「は!?」





今、痴漢って言った??




さらっと言ったよねこの人…






「ヌナ、痴漢、されたの…?」



『え、うん。なんかスカートの中に違和感があってさ「もう言わなくていいよ」




言葉を遮ってヌナを強く抱きしめた。




『ニエル?』


「ごめんね…」


『え、なにが』


「そういうとき、そばにいてあげられなくて」


『大丈夫だよ。舌打ちして肘で押したらやめたから』




……………。


そういうところほんと、かっこいいよヌナ。

でも、


「そういう問題じゃないよ!満員電車にこんな短いスカートで乗るなんて!もうスカート履くの禁止!電車乗るの禁止ー!」




『そ、そこまで!?』



僕がいきなり声を張るからヌナも驚いたみたいで。




「あーもうほんとに…」




僕が守ってあげたかった。



ほんとは一人で外歩かせたくないんだ。


それくらい心配で、愛してる。




『わかった。満員電車には、乗らないようにする。私ももう乗りたくないし』



ほんとは、ちょっとこわかったんだ━━



そう言ったヌナもまた僕にぎゅっと抱きついてきて。




頭を撫でて、強く抱きしめ返した。





これからは、ちゃんと守るから。







こちらにも載せました!
ちゃんななにえる

夢小説のススメ【作者より】


どうもどうもきゃしーです。


いつも読んでくれる皆様、コメントくださる方々、

本当にありがとうございます。



かなり前から、ドリーム機能があるサイトで書きたいと思っており、

このブログやツイッターでも書きたい書きたい言ってたことがあるのですが、

実はすでにページを作っていまして、

ここのお話を名前変換できるように編集しなおして(表現も少し変えたりして)いました。


このブログには意外にもたくさんのお話があり(自分でも驚きました)、

コピー&ペースト(&編集)するのに時間を有するため、

まだわずかしかないのですが公開いたします。



お話の更新は今までで通りこのブログになると思います(タグ使用が面倒なため←)


新旧問わずにドリームサイトにも徐々にUPしたいと思っていますが、


こちらのブログ以上に間隔があいてしまうと思います。



きゃしー自身ニエルさんよりヌナなので、

ヌナ呼ばわりでも全然萌えますが、

名前を呼ばれたらそれはそれで萌えますよね♡



以上お知らせでした!

これからもちゃんななにえるをよろしくお願いします。




⇩ちゃんななにえる(ドリーム機能付)

http://mbbook.jp/teentop21/

June Bride

仕事がオフの日、友人とカフェにいた。



ふと、会話が途切れた時、


「ねえ、あれTEENTOPのニエルじゃない?」







私がニエルと付き合っているのは誰にも話していない。


それは、彼の仕事を守るため。

それに話したところでたぶん、妄想だと思われるに違いない。


『へえー、こんなところで見れるなんてラッキーだね』



それほど興味がないフリをして返事をしたあと、友人の視線の先を見て、私は目を疑った。






でもそこにいたのは間違いなくニエルで、


ニエルの隣には、スタイルがいいいかにも綺麗な女の人がいた。


「あれ彼女かなぁ…サングラスしてるってことは彼女も芸能人?」




”彼女”は私なのに。



そういえば、ニエル今日仕事だっていってたっけ。





ああ、ニエルも男だったんだ。


浮気をされたことと、平然と嘘をつかれたことが胸にぐさぐさと突き刺さる。






『ねえ、今日飲みに行こう』


「今から?まだ18時だよ?」


『いいじゃんいいじゃん、たまにはね!』



半ば無理やり友人を巻き込んで、ヤケ酒をした。








数時間後、



「ちょっとあんた飲み過ぎじゃない?」


『うるさいなぁー今日はとことん飲むって決めたのー!』


ああ、自分が出した大声が頭に響いてガンガンする。


今日、家に帰りたくないや。


今日はニエルに会いたくない。




止める友人の言葉を聞かずに酔い潰れた私は、友人の家に泊まった。









お昼近くに目が覚め、完全なる二日酔いが襲う。


『あー、頭痛い…』



「あ、起きた。あんたさ、寝言で何度もニエルニエルって言ってたけど、そんなにアイドル好きだったっけ?」



私、そんなこと………


寝言だとそんなにも素直に求めてるんだ。


ううん、私やっぱり、ニエルじゃないと嫌だ。




気がつくと次々と涙が溢れてきた。


驚く友人に、ニエルと付き合っていることを話すと、そっか、とすんなり信じてくれ、

「早く帰りな?こういう話は早いほうがいいよ」


と背中を押してくれた。








ガチャリ………


家のドアがいつもの何倍も重く感じる。




『た、だい、ま………』


「ヌナ…?」



ニエルはまだ家にいた。

とりあえず、昨日の女の人といたら、という不安が消えた。




「どこ行ってたの!!連絡してもぜんぜん繋がらないし、心配したんだから!!」


私の顔を見るなり声を上げるニエル。



『心配…?私のことなんか何とも思ってないでしょ?』


「え、ヌナ?」



違う、こんなことが言いたいんじゃなくて……


『私の心配するよりあの女の人のところに行けば?』




正反対のことばかり口走る。


堪えきれず涙が頬を伝う。


「あの女の人って?」


ニエルは私を見て驚いたようで、俯く私の顔を覗き込んだ。



『見たんだから!昨日、街でっ……浮気…っ…してるの』



「あー………まじか……」


ニエルはため息をついて私を離れてどこかへ行ってしまった。




ああ、私とうとうフラレるんだ。


そう確信した途端、涙がとめどなく溢れ出して、その場に崩れるようにしゃがみ込んだ。




「ヌナ、聞いて欲しいことがあるんだけど」



いつの間にか戻って来ていたニエルは私の目の前で正座をしていた。





土下座でもする気?

それとも今更言い訳?


そう思うと少しずつ怒りが込み上げてきて、赤くなった目で睨み上げた。



すると目の前にあったのは、きらりと光るエメラルド色の小さな石がついた、指輪。


『何よ、これ』



「まだ、本物はあげられないけどさ……」



私の右手をとって、薬指に指輪がはめられた。


「よかった、ぴったりだ」



突然のことについていけない私は、何も言えずただニエルを見た。





「今日は僕達が付き合って1000日記念日だよ?こんな形で渡すことになっちゃったけど」



綺麗な指輪。

素直に嬉しかった。



でも、


『昨日のこと、説明して』




大事なことを忘れそうになっていた。


「携帯みてくれればわかると思うんだけど…」



携帯?

そういえば昨日のあれを見てから、マナーモードにしたままカバンの底に入れっぱなしだった……



見ると、たくさんのニエルからの着信と、


メール…?お姉ちゃんからだ………



Sub:no title
━━━━━━━━━━━━━━

あんたの彼氏借りたわよ♡
いい彼氏もったわね(^_-)-☆







『なに、これ……』


どういうこと?

借りたって…?

確かにお姉ちゃん背は高い方だけど

だって昨日の人お姉ちゃんに見えなかった………



未だに状況が理解できない。


「ヌナのご両親、僕の親に挨拶に行ったことがあるみたいで、僕も会ったことあるんだ」


『そうだったんだ……』



「昨日は、お姉さんにこれ選ぶの手伝ってもらってんだ。お姉さんってば、ウィッグにサングラスできたから僕も驚いちゃったんだ」




『なんなの、それ…っ』



真実は、あまりにも単純だった。




勢いよくニエルに抱きつくと、耐えきれずに後ろに倒れそうになったのを片腕で防いだ。



『ばかばかばか!ニエルのばか!私がどんだけっ……』



傷ついたか………


でも、勘違いしてたのは私で。



「傷つけちゃったね、本当にごめん」


空いていた片腕が背中に回ってきて、ぽんぽんとあやすように叩く。



その腕は全てを包み込んで。


不安な気持ちがすーっと消えていく。



『私、ニエルじゃないと嫌だから。離れたらどうにかなりそう』


「そんなの僕だって。指輪、いつか本物を左手につけるまでそれつけてて」



『ありがとう、ニエル…大好き』


「うん、愛してるよ」




仲直りの、涙の味がするキスは、今までで一番甘かった。







* * * * *


June Bride

結婚してないんですけどね^^;

婚約の予約 みたいな話になったので……

暑さが招く熱さ ※


「いらっしゃい、ヌナ。ここが僕たちの宿舎だよ」



オフが重なった今日、ヌナを宿舎に呼んだ。




「ニエルの彼女?綺麗な人だな」

「ほんとほんと、ヒョンにはもったいないよね」

「ニエルのことよろしくねー」




「みんなもういい?僕たちもう部屋行くから」


メンバーに囲まれそうになっているヌナの手を引いた。


『よかったの?私まだちゃんと挨拶してないけど』



「いいのいいの、それよりさ…」



部屋に入ってドアを閉めて、ヌナをじっと見る。




「今日のその服……」



ヌナが着ていたのは、白いワンピース。


しかもけっこう薄手。

しかも肩が出てる。

しかも丈が短い。




『今日のために新しく買ったんだ。どう?』



スカート部分を両手で掴んで僕を見上げる。


上目遣いとか…正直可愛すぎる。



でも、


「今日のため?メンバーいるって言ったよね?」


『うん…』


「じゃあなんでこんな格好してきたの」




皆ヌナを鼻の下伸ばして見てたの気付いてた?


ヌナの顔の横に肘を置き、もう片方の手でドアに鍵をかけたあと、ヌナの腰から太ももまでゆっくり撫でる。


『ちょ、ニエル!?』



「下着一枚だけって…屈んだり風が吹いたりしたらすぐ見えちゃうじゃん」


『だって、今日暑かったし…』


「暑い?だったら…」




背中にあるジッパーを下ろして、両肩を出した。



『ニエル!?何してっ』


慌てて隠すヌナ。




「暑いんでしょ?だったら脱いだら?」


『やめてよっこんな冗談…っ』



僕の手首を掴んで抵抗するヌナの口を塞いだ。




『ふっ、んん、ぁ』


口内を味わうように舌を絡ませて唇を離すと、潤んだ瞳と目が合った。



ほら、もう”その気”の顔だ。




ワンピースをはだけさせたままヌナをベッドに倒した。




『ニエル、こ、ここで……?』


「お仕置きしないとね?」




頭の上でヌナの両手を押さえてもう一度口付ける。


そうしてる間に服の上から胸の膨らみを揉んだ。



『んん、ニエルっだめ、あっ』


「だめ?体は正直みたいだけど」



宿舎なんて、場所を考えただけで興奮する。

すぐ隣の部屋にはメンバーがいて、面白がってこの部屋に聞き耳をたてているかもしれないし。




たった1枚のワンピースを脱がして、僕もTシャツを脱いだ。



下着の上からそこに触れると、すでに熱く蜜で湿っていた。


じわじわ撫でると少しずつしみが出来てくるのがわかった。




『やっ、ねえニエル…』


「なに?」



『…っ』





直接触れないからもどかしいんでしょ?


真っ赤な顔を僕に向けて。


それがなんとも官能的で、僕を煽る。




下着の脇から指を忍ばすと、そこは十分過ぎるくらいに溢れていて。


「ヌナ、かなり興奮してるでしょ。ほんとやらしー」


『っ…!!』


耳まで真っ赤にして顔を背けるヌナ。





ヌルっとしたそこに指を2本入れると難なく呑み込んで


『ひゃっあぁ、』


きゅ、と指を締めてきた。





いやらしい音を立てながら中をかき乱す。



『ん、ぁあっ』


知っているヌナの良い所に一瞬触れるとヌナは背中を反らして声を張る。


すぐにそこを外して内壁を擦る。




荒い息遣いと卑猥な水音が部屋に響く。


『やっ、にえるぅ、ぁん』




苦しそうなヌナの声が僕を求めてくる。




「お仕置き中だよ。まだイカせない」


『ゃだぁ、も…いきたぃぃ」


普段絶対口にしないことを言うほど苦しいんだろうね。


そろそろ許してあげよう。




「もうこんなやらしい服着て宿舎に来ないって約束する?」


『ぅん、する…』



瞳に涙を溜めて何度も頷いた。



「じゃあもうお仕置きはおしまい、」




両手を開放して、下着を下までおろす。



すぐに再び指を入れて、良い所に当てながら激しく動かした。




『ああん、やっああぁっ』



焦らされていたところから一気に頂点に達して、荒い呼吸も整わないうちに自信をねじ込んだ。



『ああっそんな、いきなりっ、』



「ぅっ…」

イッたばかりのそこは僕を押し返そうと締め付けてきて、それだけで達しそうになるのを耐えるのが大変だった。



奥まで到達したあと、ゆっくり律動を始める。



『ああ、ん、はぁ』





ヌナの手に後頭部を引き寄せられ唇が重なる。


お互い理性なんてとっくになくて、求めるままに深く口付けていた。






『はっ、にえる…もぅ、あっ』




「イっていいよ…僕も、やばいっ」





もう一度口付けて、腰の動きを速めた。



『んんやっぁ、んんんっ』


ヌナの声を口内で受け止めて、追うように僕も達した。



















『信じられない、宿舎でするなんて。隣に皆いるのに』


乱れた服を直しながら、ご機嫌斜めなヌナ。


「ヌナが悪いんだよ?こんな服着てくるから」


『だって、早くニエルに見せたかったんだもん…』



ぶぅ、と唇を突き出してるヌナ。


それがたまらなく可愛くて愛しくて、その唇に軽くキスをした。



「2人の時に着てよ、そういうの」


『ニエルこそ2人の時にしてよね、こういうこと』




……………


「じゃあ今から2人になれる所、行く?」


『今日はもういい』

Umbrella

『あーやっぱり降ってたか…』


朝の天気予報はやっぱり当たっていた。


走って帰るのはちょっと無理があるくらいの夕立ち。


向こうの空は雨雲がなくて明るい。

この辺りもすぐ晴れるんだろうけど。



『傘持ってきてよかった、』




傘を広げて駅までの道を歩く。






「俺も入れて」


『え?あっ…』



振り返ったのと同時に傘が手元から離れて高くなった。



「ニエル、」



見上げるとそこにあったのは後輩のニエルの顔。



雨の音で走ってきてたの気付かなかった…





会社を出てから数十メートル。


その間に振られた雨で、髪と肩が少し濡れていた。





ニエルに傘を持たせたまま道を歩く。





『傘持ってなかったの?』


「うん。だって朝すごく良い天気だったじゃん」


『天気予報見て来なかった?ていうか敬語使いなさいよ』



私にだけいつもタメ語なんだから。


ほんと生意気。





「もっと寄って、濡れるよ」


私の言葉は華麗にスルーされ、傘から少しはみ出た肩を内側へと寄せられた。




ち、近い………


不覚にもドキドキしてしまっている。


触れられた肩がじんわり熱い。



変な顔になってないか心配で、少しだけ俯いて歩く。


背が高いニエルからは私の顔は見えないはず…





「先輩顔赤くない?どうかした?」



屈んで目の前に現れたそれは、心配している表情ではなく、絶対にわかってるというにやけ顔。



『どうもしない。ていうか狭いんだけど』


「だから寄ってって言ってるじゃん。照れてる?かわいー先輩」



『うっさい、一人で帰る?』


傘を奪いとって肩でニエルを傘の外に追い出してみる。



「風邪ひいちゃうじゃん、先輩看病しに来てくれるの?」



『何とかは風邪ひかないっていうから大丈夫よ』



「ひどいなー先輩」



すぐ傘の中に入ってきてまた傘が高くなる。








『ねえ、手、離してよ』


持ち手の部分とそれを握っていた手ごとニエルに掴まれて、2人で傘を持っているというなんとも不自然な格好になっている。




「俺が傘持ってたら手繋げないじゃん」


『なんで繋がなきゃいけないわけ、』


「繋ぎたいから」


『なんでよ、』









「そんなの、好きだからじゃん」





『は…?』



思考停止。


この生意気な後輩は今なんと…?







「先輩だけだよ、気付いてないの。他の社員みんな知ってると思う、俺が先輩好きなこと」



口をぽかんと開けている私を見て、くすくす笑うニエル。




「まあ先輩が顔赤くしてた時点で返事は確信してたけどね」


『いや、まだ何も言ってないけど』


「じゃあ言ってよ、返事」



『えっ、その…ぇっと…………あ、雨あがってる!』


「あっそらされた!ま、いいかー」



傘をとじてさり気なく繋ぎ直された手。





その大きな手を、何も言わずに握り返した。








「やっぱかわいー先輩」


『うるさい』